ブログ記事

可動性について〜「筋トレの前に、“身体について感じる力”を育てよう。」〜

自分の体を「ちゃんと感じる」ことが、痛みや不調をなくす第一歩

1. 体性感覚(たいせいかんかく)=体の状態を感じ取るセンサー

私たちの体には、

「今どこに手がある」

「どのくらい力を入れている」

といった感覚を教えてくれるセンサーがついています。

でも、たとえば昔足首をひねったり、何度も腰を痛めたりしていると、そのセンサーの働きが弱まって、
「足の位置がうまくつかめない」「動かし方がぎこちない」ことが起こります。

体のセンサーが鈍いと、動きもズレやすく、またケガをしやすくなるんです。


2. 身体所有感(身体しょゆうかん)=「これが自分の体だ」と感じる感覚

これは少し不思議な感覚ですが、たとえば長い間痛みがある場所って、なんだか自分の体じゃないみたいに感じることがありませんか?

  • 「この腕、なんか動かしにくい…」
  • 「触られるとゾワッとする…」

そんなとき、体があっても、

ちゃんと自分の一部”として感じられていないこと

があります。

→それを取り戻すには、触れる・見て確認する・意識して動かすことが大切。


3. 運動主体感(うんどうしゅたいかん)=「自分の意志で動かした」と感じること

これは、「体が勝手に動いた」ではなくて、「自分が動かした」と感じる感覚です。

たとえば、

  • 筋力トレーニングで「うまく力が入らない」
  • 動くときに「どこか怖くて、自然に動けない」

こういうとき、自分の動きに“主導権”が持てていないことが多いんです。

→少しずつでいいので、「ここに力を入れて」「このスピードで」など、動きを自分でコントロールする練習が大切です。


この3つの感覚がズレると…

  • 「どこに体があるか分からない」(体性感覚のズレ)
  • 「この部分、他人の体みたい」(身体所有感の低下)
  • 「自分で動かしてる感じがしない」(運動主体感の低下)

→これらが重なると、痛みが治りにくくなったり、動きがぎこちなくなったりします。


トレーニングって、筋肉を鍛えるだけじゃない。

実は、

  • 体の感覚を取り戻す
  • 自分の体を自分のものとして感じ直す
  • 動きを「自分の意志でコントロールする」

こういった

感覚を育てること

もトレーニングの大事な目的なんです。


たとえばKoafitでやっていること(イメージしやすい簡単な例を抜粋)

・目を閉じてバランス→自分の体の位置を感じる練習(体性感覚)

・鏡でフォーム確認→自分の体を自分のものと意識する(身体所有感)


最後に

「筋肉が弱いから痛いんだ」
「年齢のせいで動けないんだ」
そう思っていた方にこそ伝えたいのがこの話です。

“ちゃんと感じる”ことができれば、“ちゃんと動ける”ようになる。

筋力も大事。でもその前に、自分の体とちゃんと仲直りすることが、回復とパフォーマンス向上の第一歩です。

一覧に戻る